サンゴ礁
出典: Jinkawiki
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サンゴ礁とは
サンゴ礁は熱帯および亜熱帯の温かい海に、生物が作り上げた浅瀬である。サンゴ礁は造礁サンゴや有孔虫、あるいはサンゴモなどの、さまざまな造礁性生物の石灰の骨や殻が材料となって、長い年月をかけて形成されてきた。サンゴ礁は、生物種の宝庫であるといわれる熱帯雨林とならんで、地球上で単位面積当たりに生息する生物種類数が最も多い場所であるといわれている。サンゴ礁に棲む多様な生物たちは、現生の造礁生物も含め、過去に生物が作り上げた地形を足場として生活している。
サンゴ礁を形成している造礁サンゴとは
クラゲやイソギンチャクを含む刺胞動物門の動物のなかで、海底の岩に付着したり、海底に転がったりして生活し、石灰質やキチンなどの骨をもつものを広い意味でサンゴと呼ぶ。サンゴ礁に普通にみられるサンゴ、つまり造礁サンゴはこれのうち、石灰質の骨を塊としてもち、褐虫藻と呼ばれる単細胞生物が細胞内に共生するものである。褐虫藻は単細胞生物であり、分類学的には渦鞭毛藻の仲間である。褐虫藻はサンゴの細胞の中にいて、光合成色素をもち、光合成をする。褐虫藻の光合成産物がサンゴに渡っていることは、放射性同位元素を使った実験で確かめられており、光合成産物は繁殖にも使われていることが知られている。サンゴ自体は動物プランクトンを食べる捕食者でもあるが、褐虫藻が共生するサンゴは、植物のように自らの体内で有機物を合成しているとみることができる。造礁サンゴは褐虫藻が出す光合成産物を利用し、早く成長することができる。早く成長する結果、大量の骨が生産される。大量に作られた骨はサンゴの死後塊として残り、これが他の造礁生物の作った骨や殻と一緒に積りつもって、大きな岩塊、すなわちサンゴ礁になるのである。
参考文献
『サンゴ礁 生物がつくった<生物の楽園> 』西平守孝・酒井一彦・佐野光彦・土屋誠・向井宏著 平凡社 1995年
『サンゴ礁』 高橋達郎著 古今書院 1988年
(sumireyakko)