ムスリム同胞団(エジプト)

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目次

概要

 ムスリム同胞団はイスラーム主義を掲げる集団組織のひとつである。1928年にハサン・バンナーによって組織された。ムスリム同胞団はエジプトを中心に複数の国や地域で活動しているが、この項ではエジプトにおける活動について扱う。



思想

 ハサン・バンナーはムスリム同胞団を組織するにあたって、3つの思想的原則を立てた。


1.イスラームは完成されたシステムである。

2.イスラームの教えはコーランと預言者ムハンマドの言行の記録「ハディース」を源とする。

3.イスラームの思想は時代・場所を問わず普遍のものである。


 ムスリム同胞団の目標は全イスラーム世界の開放であり、究極的には「イスラーム国家」を建設することである。



変遷

 1954年にナセル政権によって非合法認定され、1966年には指導者サイイド・クトゥブが処刑される。ナセル政権による弾圧でムスリム同胞団の規模は縮小傾向にあったが、サイイドの死後、ムスリム同胞団に限らずイスラーム主義の機運が高まっていった。

 次のサダト政権下では融和政策がとられたが、イスラエルとの和平に対して不満を持ったイスラーム主義者にサダトは暗殺された。

 1980年代には活動範囲をエジプト国外に広げた。

 エジプトのムバラク政権下では議会での活動にも取り組み、2005年のエジプト議会選挙では議席を大幅に増やしたものの、選挙スローガンとして掲げた「イスラームこそ解」の文言は一部から政教一致との批判を浴びている。



参考文献

講座イスラーム世界5 イスラーム国家の理念と現実 湯川武(編) 板垣雄三(監修) 栄光教育文化研究所 1995


中東を理解する 社会空間論的アプローチ 水口章(著) 日本評論社 2010


イスラーム戦争の時代 暴力の連鎖をどう解くか 内藤正典(著) 日本放送出版協会 2006


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