ベトナム戦争21

出典: Jinkawiki

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ベトナム戦争とはインドシナ戦争後に南北に分裂したベトナムで発生した戦争である。 ベトナム戦争は宣戦布告なき戦争であるため、ベトナム戦争がいつ開始されたかについては諸説あるが、南北ベトナムの統一戦争という観点からは、南ベトナム解放民族戦線がベトナム共和国政府軍に対する武力攻撃を開始した1960年12月という説が一般的である。 ベトナムは第二次世界大戦以後もフランスの植民地であった。 大戦後ホーチミンが成立させたベトナム民主共和国(北ベトナム)が第一次インドシナ戦争でフランスと戦い退けることに成功。 これに対しアメリカ合衆国は、ドミノ理論を理由に共産主義政府の存在を危惧し、フランスの傀儡政権であったベトナム国(南ベトナム・後にベトナム共和国)政府を支援。軍事顧問を送るなどした。こうして南 北二つの政府の対立が始まった。

<アメリカの介入要因>

アメリカはケネディ政権時代の共和国への軍事顧問増員をした。 これより先、1956年末に共和国の米軍事援助顧問(MAAG)は800名に倍増されていたが、この時点では冷戦政策の推進者ダレス国務長官でさえ、共和国にあるアメリカ所有設備の海外搬出防止に伴う一時的な増員であるという理由でICCの同意を得なければならなかった。 しかしケネディの大統領就任後、ゲリラ戦鎮圧を目的とした対反乱戦略遂行に伴う軍事顧問増員により800名という上限は破られ、1963年彼の暗殺時にはその数は約2万名に達するまでになっていた。当時国務省でベトナム政策を担当し、米軍の早期撤退論者であったカッテンバーグは、この増員決定の歴史的意義について後に、「名誉ある離脱が可能性として残されていた時代(1950~1961年)は終わりを告げ、アメリカが撤退を検討するのがますます困難とする時代が始まった」と述べている。 そしてベトナムへの介入を決定付けたケネディは、半植民地的な一面ももった人物であったが、共産主義(ロシア的主義)が植民地主義の取って代わることはなんとしても阻止しなければならず、それがアメリカの使命であると考えていた。 このような面から、アメリカはベトナムへの本格的な介入を進めていったのであった。

<ベトナム戦争の流れ>

1964年、米駆逐艦が北の魚雷艇から攻撃を受けた事件(トンキン湾事件)をきっかけに、アメリカは本格的に介入。(ただし二度目の魚雷攻撃は誤報告である。 1965年米国の選挙で勝利したジョンソン大統領はベトナムへの軍事介入をさらに強化。この年は、北ベトナムへのローリングサンダー作戦をはじめ、米海兵隊のダナン上陸、B52の南ベトナム解放区への爆撃、北爆の強化、南ベトナム解放戦線によって占領された南ベトナム領内への枯葉剤の散布など、ベトナム戦争は泥沼化していくことになる。 1968年1月30日の南ベトナム解放戦線のテト攻勢が開始され、サイゴンのアメリカ大使館の一部が占領。このころから南ベトナム軍は劣勢になって行く。年末にはニクソンが米国選挙に勝利し、大統領に当選。ベトナム戦争でのアメリカ軍戦死者の数は3万人を越した。  泥沼にはまったベトナム戦争から抜け出せず、反戦世論の風も強まった中、パリでアメリカのキッシンジャー補佐官と北ベトナム側のレ・ドク・ト特別顧問の間で平和交渉が進められ、紆余曲折の末に1973年1月27日「ベトナムにおける戦争と平和の回復に関する協定」に米国、サイゴン政権、ベトナム民主協和国、臨時革命政府(南ベトナム解放戦線)の4者が調印をし停戦協定が成立。3月29日ニクソン大統領はベトナム戦争終結を宣言し、米軍は南ベトナムを撤退。  この後は、南ベトナム政府軍と北ベトナム軍のベトナム人どうしの戦争ということになるが、1975年4月30日、北ベトナム軍はサイゴンへ入り、南ベトナムのズオン・バン・ミン大統領は無条件降伏をし、長く泥沼だったベトナム戦争は終結する。

<ベトナム戦争が及ぼした影響>

アメリカにとって初めての敗北となり、財政を悪化させることとなった。また帰還した兵士に対してのバッシングや戦場でのトラウマ(PTSD)が大きな社会問題ともなった。 この戦争を題材にした作品は非常に多い。 世界各地での反戦運動は米国での黒人の公民権運動や若者の新たな文化の発生、学生運動などにも結びついた。 さらにアメリカが相手のジャングルに身を隠すゲリラ戦に対応するために用いた枯葉剤が様々な悪影響を及ぼし問題になった。

参考文献

・現代アジアの戦争~原因と特質~ 編著 森利一

・わかりやすいベトナム戦争―超大国を揺るがせた15年戦争の全貌 三野 正洋


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