リストカット

出典: Jinkawiki

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目次

概要

故意に身体表面を刃物などで切るというタイプの自傷行為。 国内の研究によると、中学生・高校生の10%前後に自己切傷の経験があり、男子よりも女子のほうが多いとされる。 また、自殺や自傷行為には伝染する性質を持っている。

動機

つらい感情から解放されたい。自分自身を罰したい。死にたい。自分がどれくらい絶望しているのか示したい。自分が本当に愛されているのか知りたい。周囲の注意を引きたい。驚かせたい。仕返しがしたい。


共通項

「自殺前症候群」というものがあり、これは自殺をするまではいかないけれど、死んでしまいたいと思っている状態のこと。これに共通して存在しているものは、孤独感、絶望感、閉塞感といった3つのネガティブな心の状態である。人は自殺をしたいと思うようになると、孤独な世界にこもっていく。本人は、「みんなが自分を認めない」とか「邪魔者扱いをされている」と感じることが多い。逆に言えば、自殺をするということは、一種のクライシスコールであるから、誰かに自分の気持ちをわかってほしい、認めてほしいという気持ちが働いているといえる。 絶望に関しては、これから先の人生に希望がないと感じる状態である。客観的に見れば、それほど悪くない状態であっても、絶望感を抱いている人にとっては、未来はまったくの闇でしかない。 閉塞感は、絶望感と似通っているが、絶望感というのはどちらかというと未来に対する否定的な気持であるが、閉塞感というのは現在も含めて否定的にしかとらえられない感覚である。今生きているこの社会、生きている今の環境、状況、自分自身も含めて、もう息をするのもつらいほど行きづまっている。何もしたくないし、何もできない、苦しいだけの情謡だ。


立ち直る方法

リストカットをしているときは、あまりにつらい記憶であるために人格が解離してしまって記憶がない。だから、イソミタールという一種の麻酔薬を少量使って、軽い睡眠状態にもっていく。そして、手首を切るとき、あるいはその前の時点の状況、考えていたこと、頭の中にあったことなどを少しずつ聞いていき、思い出させる。そうすることで、何がどうなって、どうしたのか、どうして自分は苦しんでいるのかなどというばらばらになった時間や、入り組んでしまった時間を一本のつながった流れになる。 そうやって出てきた事実を材料として、今度は整理していく。たとえば、その出来事についてどうしてそういうことが起きたのか、どうしてそうなったのか、連想したり、その背景には何があったのかなどを考える。 そして最後に、患者自身が納得できるかどうかということ。等身大の自分を受け入れることができれば、リストカットは終わる。


参考文献

テキスト臨床死生学、リストカット


  人間科学大事典

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