デンマークの税制

出典: Jinkawiki

(版間での差分)

2008年7月2日 (水) 16:02の版

デンマークで今でもよく愛唱されている詩歌の中で「人生は、平凡で楽しく暮らし、働く生活がよい。このような生活は、王の生活と交換できない。年老いた者たちと一緒で、素朴で楽しい生活がよい。王宮の中も、あばら屋の中も、同じように素晴しい。」と歌われているものがある。裕福な生活が理想とする生活ではなく、農民の暮らし、労働する人々の生活に高い価値を置いている。この価値観があって、福祉社会が機能しているといえる。 また、政治家が国民に対して奉仕しようと願っており、国家の予算が国民の高く評価する福祉サービス分野に使用されることに対して、信頼を置いている。社会保障、無償の教育、無償の医療サービスその他に対する、高い税金を喜んで払っている。引用(1) デンマークでは、税金の使われ方に関する情報の公開性が高い。また、公務員にかかる規制が強く、金銭をめぐる不祥事がニュースとなることが少ない。このことが「高い税金を喜んで払っている」ことの要因だろう。

デンマークに対して日本は、消費税率は主要国の中で最低の水準である。消費税率はデンマーク25%、日本5%となっている。デンマーク並みの充実した社会福祉を日本において実現しようとするならば、増税は必須だと考えられる。しかし、デンマークのように日本国民が政府に対して信頼を持っていないことから、増税に対して強い反発が起こると予想される。「消費税に対する信頼性・制度の透明性の向上を図るために見直しを行ってきました」と財務省のパンフレット『税のはなしをしよう。』(平成19年度版)に書かれているが、そのパンフレットに消費税10兆6,450億円が何にどのくらい使われているかは明記されていない。国民が国家を信頼し、福祉のために効率よく税金が使われるために、税金の使い道をより細かく知らせる必要があると思われる。そして、公開している使い道通りに不正なく使われていることを証明する必要がある。税金を福祉や教育を必要とする人に対して使おうという意識を育てることも重要だと考えられる。

参考文献・引用 (1)浅野仁、牧野正憲、平林孝裕 編『デンマークの歴史・文化・社会』(創元社、2006) (2) http://www.mof.go.jp/jouhou/syuzei/syuzei.htm 「財務省 税制ホームページ」


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