ビスマルク2

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ビスマルク

ドイツの政治家。プロイセンのユンカーの出身。学生時代は有名な乱暴者で、188cmの巨体は決闘による傷あとだらけだった。ゲッティンゲン、ベルリン大学に学び、プロイセンの官吏をへて,プロイセン連合州議会議員として政治活動に入る。1848年の三月革命期には極端な保守・反革命主義者として登場したが、その後、ドイツ連邦のプロイセン公使、ロシア大使、フランス大使などを歴任するなかで、プロイセン国家の拡大・強化のためにオーストリアとの対決とドイツ統一問題の利用について認識を深めた。62年プロイセン首相となり、いわゆる〈鉄血政策〉にもとづき普墺戦争(1866)に勝利するとともに、国内紛争(プロイセン憲法紛争)を収拾し、さらに71年、普仏戦争に勝利してドイツ統一を完成し、ドイツ帝国初代の宰相(1871-90)となった。ドイツ統一問題は「鉄と血によってのみ解決される」という議会演説から鉄血宰相と呼ばれた。


ビスマルクの内政

国内政策では、ユンカー階級の利益を優先したドイツ帝国の維持に努め、それに敵対する勢力としてカトリック勢力(中央党)、ついで社会主義勢力(ドイツ社会民主党)を厳しく弾圧した。南ドイツを中心としたカトリック勢力とは文化闘争を展開し、社会主義政党に対しては社会主義者鎮圧法を制定する一方、社会政策を推進し、アメとムチと言われる両面で労働者・社会主義者の進出を抑えようとした。しかし、ビスマルクはカトリック勢力とは結局妥協に追い込まれ、また社会民主党も地下に潜りながら党勢を拡大したので、内政面では成功したとは言えなかった。


ビスマルク外交/ビスマルク体制

外交政策ではドイツ帝国の国際的威信を高めるというビスマルク外交を展開した。ビスマルクの外交政策によって出来上がったヨーロッパの国際秩序をビスマルク体制とも言う。まず1873年、ロシア・オーストリアとの三帝同盟に参加し、フランスの孤独化をはかった。しかし、三帝同盟はロシアとオーストリアの対立を含んでおり、1877年の露土戦争でロシアがバルカン進出を強めたことから対立が表面化して崩れた。ビスマルクは1878年にベルリン会議を主催して「公正なる仲介人」と称して調停にあたったが、ロシアの権益を奪う結果となったためロシアは反ドイツ感情を持つようになった。それにたいしてビスマルクはオーストリアとの独墺同盟(79年)を結び、さらにイタリアを引き込んで、1882年に三国同盟を結成した。一方では三帝同盟を復活させ、ヨーロッパに同盟網を張り巡らした。さらにロシアとは秘密裏に再保障条約を締結し、フランスへの接近を防止した。しかしこれらの秘密軍事同盟は、矛盾した対立関係を含んでおり、それによって作られたはずの勢力均衡・安全装置は危ういものであった。結局、ビスマルク辞任後には新たな帝国主義列強の対立軸が動きだし、20世紀初頭の第1次世界大戦が勃発することとなった。


参考文献

セバスティアン・ハフナー/山田義顕訳『ドイツ帝国の興亡 ビスマルクからヒトラーへ』平凡社

岡崎勝世他『明解 新世界史A』帝国書院

[オットー・フォン・ビスマルク - Wikipedia]https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%93%E3%82%B9%E3%83%9E%E3%83%AB%E3%82%AF



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