アメリカ大統領の権限と地位
出典: Jinkawiki
(版間での差分)
2008年10月16日 (木) 10:42の版
アメリカ大統領は「6つの帽子を使い分ける」としばしば表現される。この訳には世界最高の権力者とよばれるアメリカ大統領の権限と地位が巨大で多面的であるからだ。合衆国憲法は、大統領を①行政部の最高責任者②軍の最高司令官③対外的に米国を代表する最高責任者(国家元首)と定め、また④立法上の指導権限も認めている。必要な法令を作るよう議会に勧告し、議会を通った法案に署名して法律を発効させる。 憲法で規定されたこれらの権限以外にも、⑤政権党の実質的党首⑥国会を代表する模範的存在の役割もある。党の政策を国民に訴え、党の候補者を応援したり、全国遊説して政治資金を募る。国民に対しては、良きアメリカ市民のモラルを体現していなければ、人気と尊敬を得られない。 ある時は王冠を戴いた国王のように威風堂々と行動し、戦争を指揮するときは大元帥のカブト姿で演説にのぞむ図が思い浮かばれる。権力や地位を帽子に例えるのは、王冠が全能の権威を象徴した大英帝国の植民地時代の名残だろうか。 大統領の国民的イメージは、第二次世界大戦時のルーズベルト、トルーマン、アイゼンハワー辺りまでは「国父」が都の厳格さと格式が尊ばれた。43歳の若さで就任したケネディあたりから、ソフトで庶民的な雰囲気が求められるように変わっていった。在任中の不祥事が露呈したクリントン大統領は「やや崩れすぎた」と考えている国民が多いようだ。
参考文献:ナツメ社 「アメリカ大統領」