外国人参政権2
出典: Jinkawiki
←前の版 | 次の版→
各国における外国人参政権への反応
外国人に参政権を認めていない国と、参政権を与えている国がある。外国人に参政権を与えている国には、大きく分けて三つの類型がある。大陸ヨーロッパ型、アングロサクソン型、北欧型である。大陸ヨーロッパは保守的で慎重な対応を取っている。欧州連合 (EU) への参加を通じて強制的に欧州連合内の相互付与が義務付けられているのを除けば、地方参政権は認められていない。 アングロサクソン型はかつてのイギリス連邦内に限定して国政・地方参政権の相互付与を自主的に認めている。 北欧 (北ヨーロッパ) はかつては北欧内での相互付与を世界で最初に認めていたが、現在ではそれを拡大して全永住者に地方参政権が認められている。 (EUはヨーロッパ全体を一つにという理念があるので、比較的、参政権に対し積極的なのではないかと考えられている)一方、外国人に参政権を認めていない国の例としてはアメリカ(国籍取得の比較的容易さを以って代替)などがある。また、スイス、日本、韓国など多くの国では移民も外国人参政権付与も認められておらず、これらの国では永住権獲得も困難である。現時点では、世界的に見れば、外国人に参政権を認めていない国が多く、外国人に参政権を与えている国は少ない。
賛成派の主な理由
主な理由として
①税金を払っているのだから参政権を与えるべきだ。
②在日韓国人・朝鮮人は強制的に連れてこられたのだから参政権を認めるべき。(在日永住外国人の参政権問題でも触れている)
③外国には認めている国もある。(各国における外国人参政権への反応でも触れている)
反対派の主な理由
①日本国民以外の人が日本の政治に介入する事は、日本国憲法に違反する.(法的解釈の部分でもここに触れている)
②政治とは、その国の国民が参加して決定すべきことそうしなければ内政干渉が起きたり、国が乗っ取られてしまう危険性を伴う。
③日本に帰化することをしない、あるいは帰化を拒否した人間は外国人として生きていくことを選択したわけであり、そのような人間が日本の参政権を持たないのは至極当然のことであり、「帰化はしたくないがどうしても選挙に参加したい」というのであれば、外国である日本ではなく、本国の選挙に参加あるいは参加できるようにして祖国に貢献するべきである。(帰化の問題については在日永住外国人の参政権問題でも触れられている。)
在日永住外国人の参政権問題
永住資格を持つ外国人の人口は、2004年時点で約77万人と言われている。日本における永住外国人参政権問題については、出身国に関係なく付与すべきという意見もあるが、旧植民地を出身とする特別永住者に対してどのように考えるかということが今、論点になっている。彼らが日本国籍を取得すればこれらの問題は全て解決するが、戦後かなり長い間、旧植民地人であるなしに関わらず、外国人が帰化することは容易なことではなかった(しかし近年、徐々に容易になりつつある)。また彼らの中に帰化することへの心理的な抵抗を抱いている人が少なからずいたということも指摘しておかねばならない。
法的解釈
野党などが中心となって1998年10月に初めて国会提出し、審議されるようになった。教職など一定の範囲の公務については外国人に就任を認める立法がなされている。現在の重要な問題の一つとされるのは、永住外国人(または定住外国人)の地方参政権である。最高裁では「憲法上保障されていない」という判断が出されている(最判平7.2.28 平7重判8)。しかし、同時に「法律によって地方参政権を付与することは憲法上禁止されているものではない」という最高裁の憲法解釈も出されている(同判例)。また、立法によって地方選挙権を認めることは可能であるとする(許容説:芦部説と呼ばれ、現在この説が通説となっている)。地方参政権は形式的には国家主権と関係がないが、自治体は国家から多くの主権に係る業務を委託されている。このことから、外国人に地方参政権を付与することに慎重な人々は、国民の主権にも影響を与える重要な問題であると考えている。国政レベルでの参政権は永住外国人に対して憲法上保障されていないとするのが通説的見解である。