三位一体説
出典: Jinkawiki
三位一体とは、キリスト教の奥義の一つで、神には、父・子・聖霊という異なった三つの位格(persona)があるが、神は実体(substantia)としては同一であるという考えである。
聖書によれば、イエス・キリストは、神が受肉した、つまり人の姿をして現れた、神の子である。では、イエスは、人間ではなくて神なのか。さらに、イエスが昇天した10日後のペンテコステ(収穫感謝祭)に、弟子たちに聖霊が降臨したことになっているが、この聖霊も神なのか。父なるヤハウェ、子なるイエス、聖霊を同格の神と認めることは、多神教的であり、一神教の大前提に矛盾するのではないのか。こうした疑問から、三位一体論争が起きた。
その中でも最大の論争点は、イエスは神なのか、それとも人間なのかという問題であった。325年のニケーア公会議では、イエスの神性を認めないアリウス派が異端として排除され、451年のカルケドン公会議では、イエスの人性を認めない単性論派が異端として排除された。その結果、イエスは人であると同時に神でもあるとするアタナシウス派(カトリック教会)がヨーロッパで正統派としての地位を得た。